休職できたは良いものの、なんだか罪悪感あって、落ち着かない。
皆に迷惑をかけないよう、なるべく早く復帰せねばと、焦ってしまう。
休職中って、何を考えて、どのように過ごせばいいの…??
この記事は、このように悩んでいる方に向けて、適応障害で休職した私の体験談をまとめました。
ネットの検索窓に「休職」と打ち込むと、「休職 過ごし方」というキーワードが出てきます。それだけ、休職中に何をすればいいか分からない方が多く、みんな同じように悩んで検索しているのです。
こんにちは。産業カウンセラーのゲッティです。
私は新卒で勤めていた大企業で、女性上司のパワハラにあい、うつ状態になりました。
約1年間休職したので、休職中の過ごし方で悩む方の気持ちが、よく分かります。
私は休職したときにTwitterとブログを始め、パワハラや休職、職場の人間関係について発信し続けています。
Follow @gettyblog休職中の生活について発信したところ、とても多くの方に反響いただきました。今回はその内容を交えながら、私の休職中の過ごし方を紹介します。
主張したいことを先に伝えておきますが、
休職中は、生活リズムが崩れても、怠けても大丈夫です!!
私は休職するまで、規則正しい模範的な社会人生活を送ってきたつもりです。
しかし、そんな私でも休職してたら、恐ろしいくらい怠けてしまいました。私と同じように、悩んでいる方は多いと思います。
規則正しく、お利口に休まないと…
このように考えていると、萎縮して心置きなく休めず、心の病が治りにくくなるかもしれません。
私は仕事のことを一度忘れるために、好きなことに時間を使っていたところ、薬に頼らずとも適応障害が少しずつ改善していきました。
私の体験談が、少しでも参考になれば幸いです。
休職してすぐの様子・過ごし方
休職初日
休職する前日、
明日から、あの地獄のような職場に行く必要がないんだ!
という安堵で緊張の糸が切れ、お風呂に入らず、ベッドに倒れ込むように寝てしまいました。
私は当時、未婚の実家暮らし。
食事の用意や子どもの送り迎えなど、やらなければならない事が無かったので、アラームをかけずにひたすら眠っていました。
たっぷり13時間ほど眠り続け、目が覚めたのはお昼過ぎ頃。前日までひどかった頭痛や腹痛は和らいでおり、お腹も少し空いていました。
胃がキリキリ痛んで、吐き気も続いていたのに、「職場に行かない」だけでマシになってビックリ…。
お風呂に入り、カップ麺をズルズル。
休職に対する罪悪感はありましたが、初日は罪悪感と、開放感が同じくらいの大きさでした。
体調が万全では無かったため、今日は何も考えず体を休めることが大切だと思い、一日中ほとんど部屋から出ずダラダラ。
ベッドと椅子を行き来しながら、録画していたお笑い番組や、YouTubeでお笑い芸人の動画を見て過ごしました。
落ち込んだ気分を紛らわすには、自然に笑うことが大切。私にとってそれは、お笑い系の映像だったのです。
そんな感じで、一日が過ぎました。
休職後の一週間
罪悪感でいっぱいに
2日、3日と時間が経つにつれ、「あぁ…やってしまった」という罪悪感が膨れ上がりました。
皆が仕事をしている時間に、なんで家にいるんだろう。
ダメな人間だな…。
このような事ばかり考えていました。
しかし、仕事のことを考えれば考えるほど胸が苦しくなり、腹痛や頭痛も悪化したのです。
ひたすら睡眠
休職する前の睡眠時間は、平均5時間くらい。
私のお気に入りの本「睡眠こそ最強の解決策である」によると、人は通常、目覚ましをかけずに眠ったら7~8時間ほどの睡眠で起きられるそうです。
もし起きられない場合は睡眠が足りていない証拠。慢性的な睡眠不足は、心の病や記憶力の低下、あらゆる病気の引き金になると言われています。
私は休職後、3日間ほど目覚ましをかけずに寝ていましたが、睡眠時間はいつも10時間越え。
睡眠が、足りていない状態なのかも…
と思ったので、1週間くらいはとにかく寝ることを徹底しました。
そうしているうちに睡眠のリズムが整っていき、7時間睡眠程度で自然に目が覚めるようになり、同時に、慢性的な頭痛や吐き気も治まっていったのです。
起きている時間はダラダラと
休職してからの1週間は、一切外出をせず、家の中で過ごしました。
起きている間は、テレビを見たり、ネットサーフィンをしたり。「何かしよう!」と思わず、ダラダラとしていました。
ボーっとしていると、仕事のことを思い出してしまうので、バラエティ番組やお笑い動画など、楽しい映像をみて気を紛らわすのがおすすめです。
私は保険会社に勤めていたのですが、自社のCMや「保険」という文字を目にするだけで、突発的な腹痛や吐き気に襲われたので、なるべく仕事に関する情報を入れないように心掛けました。
初めての外出は1週間後
休職してから初めて家の外に出たのは、1週間後。美容院に行きました。
引きこもり生活をしていたため、身だしなみを整える必要が無く、気が付いたら髪の毛がボサボサ。翌日に心療内科の予約をしていたこともあり、気分転換も兼ねて髪を切りに行きました。
美容院の予約をしたときは、ちょっと楽しみだったのに、いざ外出時刻が迫ると
外に出るの、めんどくさい…
という気持ちに。
私はやや都会に住んでいることもあり、外を歩いていると、忙しそうなサラリーマンや楽しそうに笑い合う人たちがぞろぞろ。
はぁ…なにやってるんだろう
と、ため息がこぼれます。髪の毛長くてうっとおしいし…。
でも、美容師さんと軽く会話し、普段より短めにカットしてもらったところ、なんだか清々しい気持ちになったんです。
なぜか髪を切る前と後で、外の景色が違って見えました。
伸びていた前髪をさっぱり切って視界がひらけたことや、久しぶりに他人と世間話をしたことが影響したのかと思います。
髪が伸びている方は、いつもより短くカットするといいかもしれません
歩いて少し汗をかく、日光がまぶしい、風が涼しい、このような当たり前のことが、とても気持ちよく感じました。
外に出てよかった…これからは、なるべく毎日外を歩こうと思いました。
休職期間を快適に過ごす7つの方法
ここからは1年休職した私が考える、快適に休職する方法を紹介していきます。
また、何も予定のない一日の様子をこちらの記事で紹介しています。
自分と徹底的に向き合う
休職中、こんなツイートをしました。
これを投稿した後、過去や現在の自分と徹底的に向き合いました。いわゆる就活のときに取り組むような、自己分析ですね。
とくに楽しかったのはことは何か、達成感を覚えたのはどんなことか、苦手なことは何か、将来どんな人になりたいか…などなど…
時間をかけて自分を掘り下げていくうちに、
今の仕事は、もしかすると本来やりたいことでは無かったのかも…
と、思うようになったのです。
さらに自己分析を深め、どんな仕事が自分に合っているのか考えてみたところ、
心の病や職場の人間関係で苦しむ人を助ける、産業カウンセラーになりたい!
このように、将来やりたいことが見えてきました。
休職後は復職したり何度か転職したりと紆余曲折ありましたが、休職から約2年経った2021年現在、ついに産業カウンセラーの試験に合格し、活動しています。
このとき自分と向き合って、本当によかった…。
定期的に心療内科へ通う
休職中は、たとえ体調が戻っても定期的に心療内科に行きましょう。
とくに私のように適応障害の方は、職場から離れているから症状が和らいでいるだけであって、復職したとき同じような状態に戻るかもしれません。
私は元気なときでも、月に3~4回は通院していました。
休職中は、どうしても人と会う機会が少なくなり、不安な気持ちになります。心を穏やかにする特効薬は、人に話を聞いてもらうことです。
主治医やカウンセラーへ、定期的に自分の本音を吐き出しましょう。それだけで頭の中が整理でき、心のつっかえが取れるはずです。
とはいえ、心療内科に初めて行くときって緊張しますよね。私もそうでしたが、実際に行ってみると、怖い場所ではありませんでした。
心療内科に行った後、こんなツイートをしていました。
堂々と遊びまくる
休職しているからといって、おとなしく部屋に引きこもる必要はありません。やりたいことをやりましょう。楽しい、嬉しい、面白い、そんな感情を思い出すことが大事です。
私は何度も旅行を楽しみ、居酒屋で飲み会をするなど、堂々と休職生活を謳歌しました。
やりたいことをリスト化する
「休職生活を楽しむ」と決めたあとは、何をやりたいのか考えてみましょう。
私は、ぱっと思いつくものが少なかったので、やりたいことリストを作り順番にやってみようと思いました。
こんな感じです。
・読書
・ジムで筋トレ
・テニス
・契約中の金融商品を整理
・旅行
・オーダーメイド寝具の購入
・永久脱毛
・レーシック手術
ここで大切なのは、絶対に全部やる!と決めないこと。とりあえずリストアップしてみて、できなかったらそれでもいいのです。
ちなみに瞑想は、いろんな本やCDを買ってやってみましたが、意識がある状態でじっとしていることができず、断念しました(笑)
ジムで筋トレも、まったくやる気が起きず、家で細々とやることに…(笑)
レーシック手術は長年の夢で、治療や検査で何度も通院する必要があり、「休職中の今しかできない!」と思って実行しました。今ではコンタクトのストレスが無くなり、快適です。
レーシック手術を始め、脱毛や習い事など、通わないといけない事を実行するチャンス!
また、親戚の家が山形にあり、何度も旅行に行きました。自然に囲まれた静かな環境で、虫の音を聞いたり、バーベキューや花火を楽しんだりすることで、心が癒されました。
にぎやかな都会に住んでいる方は、自然いっぱいの場所でゆっくり過ごすのがおすすめ。
読書は週に2冊、幅広い分野を読むことに。読書のおかげで自分のやりたいことが広がり、いつか農業もやってみたいなと思いました。
このブログを始めたのも、読書がきっかけです。
テニスは週に1回スクールに通い、月会費1万円と高めですが、体を動かすことがすばらしい気分転換になりました。
断捨離をしてみる
休職してから気になっていたのは、部屋の汚さです。休職前は上司のパワハラで消耗しており、自分の部屋のことなんて眼中にありませんでした。
とりあえず物の片付けたり、配置を変えたりしていたのですが、ちょっと整理するだけでは部屋も心も全然すっきりしなかったんです。
そこで、どうせやるなら心機一転、いらない物をすべて捨てることにしました。
いらないと思った物の上位が、服と本。
学生時代にアパレルショップでバイトしていたので、着なくなった服が大量にありました。本は社会人になってからコツコツ読むようになり、気づいたら200冊くらいに…。
メルカリで売るのも選択肢のひとつでしたが、すぐにすっきりしたかったので、粗大ごみで一気に廃棄。過去の自分を掃除したような気分になり、見た目以上に心がすっきりとしました。
個人的な感覚では、断捨離はマッサージよりも気持ちがよく、定期的に行なうことで心が洗われます。
人の役に立つ経験をする
休職中、こんなツイートをしました。
休職中は、基本的に人のお世話になってばかりです。それが続くと、自分は人に迷惑をかけてばかりだと思うようになり、自己嫌悪に陥ってしまいます。
そこで効果的なのが、貢献感を得ることです。
休職中、どうすれば人の役に立てるのか、いろいろ考えました。ボランティアをしようかと思いましたが、それはちょっと面倒で…
そんなとき思いついたのが、SNSやブログです。
私自身、休職者のブログを読んで励まされたのを思い出し、自分でも情報発信をしてみようと考えました。感謝のコメントもいただけて、とてつもない貢献感です。
ただ、とくにブログはパソコンが苦手な私にとって始めるのが非常に困難でした。手軽に始めたい方は、Twitterがぴったりだと思います。
休職してから、Twitter・ブログ・YouTubeはずっと継続しています。ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
転職活動をする
自分と向き合った結果、今の仕事は自分に合わないと思った私は、同時に転職活動も行ないました。
転職活動といっても「〇月まで転職する!」とか「行きたい企業を絞って面接に行く!」という本格的なものではありません。
転職サイトを眺めたり、転職エージェントを活用して自分に合った企業の一覧を送ってもらったりなど、軽く行なっていました。
このように転職活動をすることで、
休職に陥ったあの仕事以外にも、できそうなことがあるかも!
と、安心感を得られました。
休職中は昼夜逆転して当たり前
いつも夜更かしして、昼に起きちゃう。こんなだらしない生活で、いいのかな?
このように思っている方も多いでしょう。実際私がそうでした。休職中の、とある1日の流れはこんな感じ。
私が言うのもなんですが、休職中は生活リズムが崩れて当たり前です。
人間は誰でも怠け者。予定がない日が何日も続いて、昼夜逆転しないわけがありません。
どうせ復職したら、規則正しい生活が待っています。それまでは気にせず、怠け者の自分を受け入れ、不規則な生活を楽しみましょう。
それくらい楽観的な考え方ができるようになると、メンタルが安定します。
また、お風呂に入る元気がなくて悩んでいる方も大丈夫。これも私がそうでした。
お風呂に限らず、メンタルがやられているときは、何もやる気が起きないものです。世間ではできて当たり前とされていることも、何もできないものです。
お風呂に入りたくない、食欲がない、夜眠れない、朝起きられない…これらはメンタルがやられているサインです。
復職日が近づいてきた頃の過ごし方
私は約1年の休職後、同じ会社に復職しました。パワハラを受けていた職場ではなく、別の部署へ異動です。
仕事をしない毎日が当たり前になっていた私は、復職日が近づくにつれて不安でな気持ちでいっぱいになり、以下のようなことをして、気持ちを落ち着かせていました。
・メンタルトレーニングを行なう
・1週間くらいスーツで過ごしてみる
・朝散歩をする
・白髪を染めて身だしなみを整える
詳しくは、復職日までの過ごし方をまとめた、こちらの記事をご覧ください。
復職後は再休職するつもりで働こう
復職後、私はこんなツイートをしています。
復職後にまた休職してしまうのではないか。。。と悩んでいる方へ。
むしろ、すぐに休職することができれば、それは成長した証です。
一番良くないのは、再休職してはいけないと無理して働いてしまい、大きく体調を崩してしまうこと。早い段階で休職=勇気ある撤退です。
素早く休職すればするほど、すぐ復職できるようになります。
何度も休職を繰り返してしまうようなら、もしかしたらその仕事が向いていないのかもしれません。一度休職した会社を辞めるのは、健全なことだと思います。
むしろ、どんなことがあっても一つの会社で働き続けるんだ!という考えの方が危険です。
どんどん休職して、合わなかったら辞めましょう。そう思うだけで、気持ちが楽になるはずです。
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